昨日は友人のリキミンこと中田氏発案の
「日本営業大学」なるもののプレゼンテーションを聞いてきました。

日本営業大学とは、元アスリートに「営業力」「人間力」を授け、
スポーツの世界とはまた異なる一般社会の厳しさを教え、
一人前のビジネスパーソンとして鍛え上げ、
彼らを採用したい企業様へお繋ぎする新しい
教育&採用のプラットホームとの事。

彼曰く、
『卒業後もスポーツを真剣に取り組んできた若者がその道を断たれた時、
次の一歩を誤ったがために道を踏み外す、という事例をこれまでたくさん見てきました。
自分にはこれしかないと多くの犠牲を払って打ち込んできた世界に
突然自分の居場所がなくなり、自暴自棄になる、
あるいは燃え尽き症候群になる若者達の気持ちも痛いほどわかります。

彼らアスリートには「営業」にとって必要な素養が十分に備わっています。
強靭な体力は言うまでもなく、忍耐力(ストレス耐性)、
継続力、順応性、チーム意識、達成力など、
机上の学問では学べない「非認知能力」に長けています』

しかし、現状は引退した選手の多くはフルコミッション・セールスの世界にスカウトされ、
そこで満足に教育を受けることもなく営業としてデビューするも、
ノルマが達成できなければ1年後にはまた路頭に迷い、
その後建築関係や飲食関係へと進み、
挙句には長距離ドライバーにという本人にとって
望ましくないルートを進む選手が多いのも事実です。
あるいは、その競技の先輩のツテを頼りに先輩と同じ企業に就職し、
本来持つ特性を活かすこともなく何となく第2の人生を歩み始める選手も多数存在しています。

つい先月も某実業団の陸上競技部が大幅縮小を発表し
12人の退部勧告と2人の内定取り消しが話題になりました。

その多くが20代前半から半ばの人たちです。
彼らは、競技者を引退して社業へ専念するか、
移籍して競技者を続けるか決めなくてはなりません。

続けたとしても、いつかは必ず引退しなければならないときはやって来ます。

今は100年時代と言われるようになって来ました。
アスリートをやめてからの人生の方がはるかに長いのです。

みなさん知っているとは思いますが、私の前職は力士でした。

まだ中学生だった14歳の時に大相撲界へ入門して、
29歳で引退するまで相撲一筋で生きて来ました。

多くの元アスリートがそうであるように、
忍耐力や継続性もありチーム意識や達成力も持ち合わせているのですが、
一般社会の人よりも社会性が低く、普通の常識とかけ離れたところで生きています。
私も同様で、他の世界のことは何も知りませんでした。

引退後は多くの幸運が重なって、次のステージでも
なんとか生活が困らない程度には稼ぐことができるようになりました。

気がつけば起業して23年が経っています。
もちろん順風満帆できた訳ではなく、
最初の数年は何度も危機を迎え、
私の給料が出ないことなど日常茶飯事でした。

当時はまだマーケット拡大時代でしたから、
素人が起業しても何とかなったのです。
その間に、色んな教室へ通ったり勉強を重ねました。

お陰様でこの10年位はあまりお金の心配はなくなりました。

今までに何度か、現役の選手達にプロアスリートのセカンドキャリアについて
講義をして欲しいと依頼されたことがあります。

そのときは私は決まって、
「プロが現役の時からセカンドキャリア考えるくらいなら
初めからプロなど目指さない方が良い!プロの世界はそんなに甘いもんじゃない」
と答えて来ました。

現役中はそれで良いと私は今でもそう考えています。
何故なら、プロの世界で輝いて夢や大金をつかむ事が出来るのは、
ほんの一握りだけの人たちだけですが、
だからこそ、見ている方も心が動かされ、
輝いていく過程を見る事で共感を得ることも出来るのだと思います。

しかし、やめた後の人生の方が長いのは事実なのです。
冒頭で中田氏の言葉に、
元アスリートは机上の学問では学べない「非認知能力」に長けてると言っています。

どの業界でも今は人手不足で困っていると言っています。
そこでこの、元アスリートを社会に出る時に即戦力として
送り出すプラットフォームを立ち上げるという事は今の時代に
真に望まれている事だと感じました!

まだ中身はこれから作っていくという事ですが、
その志に感銘を受け、元アスリートの端くれとして
私も微力ながらお手伝いしていこうと決めさせて頂きました!